家紋の呼び方・基本パターン

家紋は当初、同一の家名であればすべて同じ家紋を使用することが基本でした。ただ、子孫が増えることで本家と分家に分かれ、さらに結婚により妻側の実家の影響など、同一の家名の中でも徐々に家紋も変化するようになりました。

しかし、突如全く違う形に変形することはなく、ある程度原型をとどめたうえで変形にもいくつかの基本パターンが存在します。

今回は家紋の呼び方と基本パターンを紹介します。

家紋の呼び方・基本パターン

①原型 もしくは 「向う○○」 例)桔梗、向こう桔梗

家紋の原型であり、花や植物を真上から見た家紋。
家紋用語では「向う」と呼び、桔梗であれば「向う桔梗」と呼ぶ。

②「細○○」 例)細桔梗

見る方向や花びらなどのパーツの数は原型と同じで、パーツ部分を細くした家紋。
桔梗の花弁を細くしたものを「細桔梗」と呼ぶ。

③「影紋」 例)陰桔梗

家紋を線で書き、塗りの色を反転させた家紋。
「陰紋」に対して塗りの色を反転する前の①②の家紋を「陽紋」と呼ぶ。

④「石持ち抜き○○」 例)石持ち抜き桔梗

白抜きにした円の中に陰紋を書いた家紋。
白抜きの円に陰桔梗で「石持ち抜き桔梗」と呼ぶ。

⑤「丸に○○」 例)丸に桔梗

原型を円で囲んだ家紋。
円の形や細さは家紋によって変わるが、
桔梗を円で囲んだものを「丸に桔梗」と呼ぶ。

⑥「裏○○」 例)裏桔梗

花や植物を茎のある裏側からみた家紋。
茎のある裏側からみた桔梗を「裏桔梗」と呼ぶ。

⑦「横見○○」 例)横見桔梗

花や植物を横から見た家紋。
横側からみた桔梗を「裏桔梗」と呼ぶ。

⑧「覗き○○」 例)覗き桔梗

円や四角の中に原型の一部が覗き込んだデザインの家紋。
原型の全体ではなく花弁の一部などを隅にのぞかせるものが多い。

⑨「八重○○」 例)八重桔梗

花や葉を複数重ねた家紋。
八重桜のようにいくつも重なる様を呼び、
重ねる花や葉の枚数は「8」とは限らない。

⑩「鬼○○」 例)鬼蔦

原型の花や葉を鋭く尖らせた家紋。
原型の蔦に対して「鬼蔦」と呼ぶ。

⑪「捻じり○○」 例)捻じり桔梗

原型の花や葉を捻じらせた家紋。
桔梗の花弁を捻じらせたものを「捻じり桔梗」と呼ぶ。

⑫「上がり○○」「下がり〇〇」 例)上がり藤、下がり藤

紋を上下逆さまにした2種類の家紋。
例にあげた藤紋はそれぞれ「上がり藤」「下がり藤」と呼ぶ。

⑬「折れ○○」 例)曲がり

原型の葉や羽を折り曲げた家紋。
鷹の羽を折り曲げたものを「折れ鷹の羽」と呼ぶ。

⑭「結び○○」 例)結び雁金

原型の一部分を紐のように結んだ家紋。
雁金の下部を結んだものを「結び雁金」と呼ぶ。

⑮「三つ割り○○」 例)三つ割り桔梗

原型の家紋を3つ割って描く家紋。
桔梗の花弁を3つに割ったものを「三つ割り桔梗」と呼ぶ。

⑯「対い○○」 例)対い雀

二つの同じ家紋が上下または左右対象に向かい合う家紋。
雀や鶴など鳥のデザインの場合、夫婦を示すものが多い。

⑰「抱き○○」 例)抱き桔梗

原型を中央に置き、葉や枝で抱きかかえたデザインの家紋。
桔梗を葉で抱きかかえたものを「抱き桔梗」と呼ぶ。

⑱「違い○○」 例)違い鷹の羽

二つの同じ家紋をクロスさせた家紋。
鷹の羽を二つクロスさせたものを「違い鷹の羽」と呼ぶ。

⑲「並び○○」 例)並び鷹の羽

原型を二つ並べた家紋。
鷹の羽を二つ並べたものを「並び鷹の羽」と呼ぶ。

⑳「三つ○○」 例)三つ巴

原型を三つ合わせたり、並べた家紋。
巴を三つ合わせた「三つ巴」は神社の社紋として多く使われる。

まとめ 家紋の派生にはある程度、規則性がある

家紋には原型となるものだけで241種類あり、その派生形を5,000種類以上あると言われています。
中には独特のデザインをした家紋もありますが、派生形の家紋にはある程度規則性がみられるものが多く、家主が好き勝手に変形していいものではなかったと予想されます。

今回上げた20パターンも規則性の一部ですので、新しい共通点を探すのも面白いかもしれません。